2014年1月10日金曜日

VAIO type P に Arch Linux を入れた

秋葉原の中古PCショップでVAIO type P ( VGN-P70H ) のOS無しを購入しました。


仕様は以下の通りです。
CPU Atom Z520 1.33GHz
GPU GMA500
RAM 2GB
HDD 60GB
液晶 8型 1600×768

このスペックでWindowsを動かそうにも、重くて常用に耐えないことは容易に想像がつきます。
そこで、友人のNomuken氏の勧めもありArchLinuxを導入することにしました。

導入の手順は、基本的にはBeginners' Guideに従います。
つまづいた箇所をメモ代わりに記録しておきます。




パテ切り

以下のコマンドでパーティションを切ります。
# cgdisk /dev/sda
自分の場合はswap領域を2GB作成しました。
また、BIOSでGPTを使用するため、先頭の 1007.0KiB の空き領域に必ずBIOS Boot Partition (Hexcode: ef02)を作成して下さい。

Writeを選択してパーティションを書き込んだ後は、必ず再起動を行って下さい。
(もちろん再起動後は loadkeys jp106 と mount を忘れずに!)

(Windowsとのデュアルブートを考慮する場合はGPTではなくMBRでパーティションを作成して下さい。方法は割愛します。)



GRUB

GRUBをインストールする際に、
# grub-mkconfig -o /boot/grub/grub.cfg
でout of memoryを吐いて失敗する時は、 /etc/default/grub の最後の行に
GRUB_DISABLE_SUBMENU=y
を追記してから、再度
# grub-mkconfig -o /boot/grub/grub.cfg
を実行します。

(出典:archlinuxをVirtualBoxにインストール(1) | Cocoa-tipsを見てちょ!



sudo

ユーザーがsudoを実行できるようにするには、
# visudo
を実行し、
# %wheel ALL=(ALL) ALL
の先頭のコメントアウトを外します。



yaourt

/etc/pacman.conf に
[archlinuxfr]
SigLevel = Never
Server = http://repo.archlinux.fr/$arch
を追記してから、
# pacman -Sy
# pacman -S yaourt
を実行します。yaourtインストール後に
# yaourt -Syua
でパッケージ一覧を更新します。



グラフィック

VAIO type P には、GMA500 というグラフィックチップが使われていますが、
これが結構な曲者で、普通にIntel向けのドライバを当ててしまうと動作しません。
Intelのドライバは入れず、以下の手順でインストールします。

1. modesettingを入れます。
# pacman -S xf86-video-modesetting
2. xrandrが入っていることを確認します。
# xrandr
3. /etc/X11/xorg.conf.d/20-gpudriver.conf に以下を記述します。
 Section "Device"
    Identifier "gma500_gfx"
    Driver     "modesetting"
 EndSection
(出典:Poulsbo - ArchWiki

ちなみにキーボードによる液晶の輝度調節は、MATEのインストール時に mate-extra を入れると出来るようになります。



MATE

/etc/pacman.conf に以下を追記します。
[mate]
SigLevel = Optional TrustAll
Server = http://repo.mate-desktop.org/archlinux/$arch
2014/03/10 追記
MATE は [community] リポジトリに移されました。
pacman.conf への追記をせずとも MATE をインストールすることが可能です。


以下を実行します。
# yaourt -Syua
# yaourt -S mate mate-extra
ログインマネージャとしてLXDMをインストールします。
(他にもSLiMなど使用可能です。お好みで。)
# yaourt -S lxdm
# systemctl enable lxdm
~/.xinitrc に以下を記述します。
exec mate-session



--- 以下デスクトップ環境で設定 ---



iBus

iBus と Mozc をインストールします。
Mozc のビルドは Atom だと2時間ほどかかるので要注意。
# yaourt -S ibus mozc
インストール後、以下を ~/.xprofile に記述します。
export GTK_IM_MODULE=ibus
export XMODIFIERS=@im=ibus
export QT_IM_MODULE=ibus
ibus-daemon -drx



サウンド

/etc/modprobe.d/snd_hda_intel.conf を作成し、以下を記述します。
options snd-hda-intel model=auto enable_msi=0
これで再起動すると、ひとまず音が鳴るようになります。

しかし、非力な VAIO type P では PulseAudio が正常に動作せず、音楽を再生すると激しい音飛びが発生します。
そこで、MATEの「自動起動するアプリ」に
pulseaudio --kill
を追加します。

PulseAudio を停止すると、それに依存する音量調節アイコンやホットキーが動作しなくなるため、代わりとして alsa-tray をインストールします。
$ yaourt -S alsa-tray
設定よりキーボード・ショートカットを起動し、
ALSAの音量を上げる / alsa-tray +5
ALSAの音量を下げる / alsa-tray -5
を登録します。それぞれに音量Up / Downキーを割り当てればキーボードから音量調節が出来るようになります。

出典:
sudo apt-get install poulsbo-driver-2d | 遊ぶエンジニア
SatlabWebsiteBlog » LOOX U/G90にLinuxを導入


2014/09/06 追記:
環境によっては pulseaudio を停止しても自動で復帰する場合があります。
その場合は /etc/pulse/client.conf を開き、
autospawn = no
を追記して下さい。



dpiの変更

VAIO type P は液晶が非常に高精細なため、文字やアイコンが小さく表示されてしまいます。
このままだと目が疲れてしまうので、液晶サイズ設定を上書きしてしまいましょう。

/etc/X11/xorg.conf.d/90-monitor.conf を作成し、以下を記述します。
Section "Monitor"
    Identifier             "<default monitor>"
    DisplaySize       277 133
EndSection
277 133という数値に関しては、比率がVAIO type Pのアスペクト比と同じであれば、好きな値に設定しても構いません。

(出典:Xorg (日本語) - ArchWiki



LaTeX

せっかくの小型軽量ですから、どこでもレポート執筆マシンにするためにLaTeXをインストールします。
yaourt -S texlive-core texlive-langcjk poppler-data
/etc/texmf/dvipdfmx/dvipdfmx.cfg を開き、
% f  cid-x.map
の先頭にある%を削除してから
sudo mktexlsr
を実行します。

出典:
Arch Linuxでplatex環境の構築 - nyaxtのPC作業ログ
Error: Missing language pack for 'Adobe-Japan1' mapping



Bluetooth

以下をインストールします。
$ yaourt -S bluez bluez-utils bluez-libs rfkill

Bluetoothデバイスの確認は
・$ hciconfig -a hci0
・$ hcitool dev
・$ sudo lsmod | grep blue
などで行うことができます。


デバイスの制御が禁止されている場合があるので解除します。
$ sudo rfkill unblock all

解除されている事を確認します。全て no になっていればOKです。
$ rfkill list

Bluetooth サービスを登録します。
$ sudo su
# systemctl enable bluetooth.service
# systemctl start bluetooth.service

起動時にBluetoothを起動するために /etc/udev/rules.d/10-local.rules を作成し、以下を記述します。
ACTION=="add", KERNEL=="hci0", RUN+="/usr/bin/hciconfig hci0 up"

ここで一度再起動をします。
$ bluetoothctl
を実行し、
[NEW] Controller (MACアドレス) (ホスト名) [default]
が表示されれば成功です。 exit とタイプし終了してください。


BluetoothをGUIから制御するために以下をインストールします。
$ yaourt -S gnome-bluetooth gnome-bluetooth-applet-git

あとは再起動すれば通知パネルにBluetoothアイコンが表示されます。


出典:
Bluetooth - ArchWiki
No bluetooth adapters detected (Page 1) / Newbie Corner / Arch Linux Forums

4 件のコメント:

  1. わかめそばmogmog様

    はじめまして やしま と申します。

    私も非力なType P にLinux Mint MATEを入れて再生しようとしている者です。
    インストールも無事に出来てネット等は良いのですが、音楽再生やYoutubeが音割れしてがっかりしております。  Linux Mintの初心者フォーラム掲示板で先達の方々に教えを請うたのですが、彼らでも未だ解決案を頂けてません。

    それで又、いろいろネットで検索しなおして、ついに わかめそばmogmog様の記述に出会いました。

    ただ、以下の『』での部分が どこに(ターミナル?)これを入力するのか?
    その前後 にどんな文字を入力するのか? が 私のスキルでは判りません。

    不躾なお願いですが、 ここの部分をご指南頂けませんでしょうか?

    どうか ご検討ください。

    サウンド
    『/etc/modprobe.d/snd_hda_intel.conf』 を作成し、以下を記述します。
    『options snd-hda-intel model=auto enable_msi=0 』
    これで再起動すると、ひとまず音が鳴るようになります。

    しかし、非力な VAIO type P では PulseAudio が正常に動作せず、音楽を再生すると激しい音飛びが発生します。
    そこで、MATEの「自動起動するアプリ」に
    『pulseaudio --kill』
    を追加します。

    PulseAudio を停止すると、それに依存する音量調節アイコンやホットキーが動作しなくなるため、代わりとして alsa-tray をインストールします。
    『$ yaourt -S alsa-tray 』
    設定よりキーボード・ショートカットを起動し、
    ALSAの音量を上げる / alsa-tray +5
    ALSAの音量を下げる / alsa-tray -5
    を登録します。それぞれに音量Up / Downキーを割り当てればキーボードから音量調節が出来るようになります。

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    1. 最初の /etc/modprobe.d/snd_hda_intel.conf は、ターミナルに打ち込みます。
      「sudo nano /etc/modprobe.d/snd_hda_intel.conf」
      そして起動したテキストエディタに
      「options snd-hda-intel model=auto enable_msi=0」
      を入力し、保存します。

      「pulseaudio --kil」
      は、MATE の「システム」→「自動起動するアプリ」→「追加」→「コマンド」に入力します。

      「yaourt -S alsa-tray」
      は、Linux Mint では対応していないコマンドです。読み飛ばして下さい。

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  2. わかめそば 様  お忙しい中、ご指南いただきまして、ありがとうございました。

    プロセスうまく行ったのですが、たテキストエディタに「options snd-hda-intel model=auto enable_msi=0」
    入れてからあと 「保存」の仕方が判りません。 エディターの下に O と記号 保存 と書いてあるのですが、何とOを押すと保存できるのでしょうか? 

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  3. ご紹介、ありがとうございます。
    ヤフオクで、Type Pを購入したので、最初はMint LinuxかGentooを考えていたんですが、Arch、よさ気ですね。
    入れてみます。

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