2019年10月15日火曜日

川俣温泉鉄道旅 後編

わかめそばです。

前編 より引き続き、けぷとん氏 (@kepton_e) と行く夏の川俣温泉旅行、その2日目について綴ります。



今回私達が宿泊地した渓山荘は、栃木県の奥地である鬼怒川温泉を更に山奥へと進んだ、川俣温泉という場所に位置しています。川俣温泉へは鬼怒川温泉駅から日光の市営バスが出ているのですが、バス本数は2~3時間に1本とまさに秘境と呼ぶに相応しい場所です。





バス停の手前には、ションボリとした表情を浮かた犬が小屋からこちらを覗いていました。臆病な性格なのでしょうか、それとも単に雨でテンションが上がらないのでしょうか。



渓山荘での宿泊を済ませた私達は路線バスに乗り、麓の方向を目指します。熟練の運転手による繊細かつ大胆な運転によって、路線バスはその巨体を唸らせながら細く険しい林道を進んでいきます。時折対向車が顔を覗かせると、運転手はカーブの外側にある僅かな隙間に車体を差し込み、細い道での離合をこなしていきます。



バスの乗換えのため、五十里ダムの前で下車します。



五十里ダムでは整備によって回収された流木を駐車場で無料配布しており、美しい流木の数々を目にすることが出来ます。自家用車で来れば旅の思い出に流木を持ち帰ることも出来たかもしれませんが、私達は路線バスで旅をしている訳でして、2人の成人男性が突然立派な流木を持って乗車してきたら流石の運転手もさぞ驚くことでしょう。



五十里ダムには「わくわくダムダム資料室」という気の抜けた名前の資料館が併設されており、バス待ちの時間があった私達は資料館を訪れることにしました。



内部の展示は真面目かつ勉強になるもので、ダム建設に関する書籍や放水設備の展示、転倒ます型雨量計のデモなどを見て楽しむことが出来ました。勿論あのダムカードもゲットです。



五十里ダムで30分ほど待ってからバスを乗り換え、湯西川温泉へと到着します。時間もちょうどよいので昼食を取ることにしました。「汁ばんだい餅」という、うるち米で作った硬めのお餅と出汁の効いた汁が特徴の郷土料理を頂きます。どこか懐かしい、優しい味わいでありながら、硬めの餅は食べごたえもあり、お腹にしっかりと貯まるものでした。



湯西川温泉の道の駅からは、湯西川ダムへと向かう水陸両用車に乗車することが可能です(要予約)。事前にオンラインで予約を済ませていたので、一同水陸両用車へと乗り込むことにしました。ところで車体側面に書かれていたのですが、「日本水陸両用車協会」なる組織の略称が “JAVO” だそうです。この車は走りながら水面へと突っ込むわけで、ネーミングに極めて高度なセンスを感じたのは私だけでしょうか。



ジャボについてはさておき、水陸両用車はトンネルの連続を穏やかにひた走ります。やがて湯西川ダム周辺に到着。いよいよ水陸両用車がダム湖に突っ込みます。



水面を目前にして突如急加速!



まるで衝突事故でも起きたのではないかという衝撃を体感しながら、水陸両用車は船舶モードへと変わりダム湖を航行します。



ダムを陸上ではなく水上から眺めるのは珍しい体験ではないでしょうか。迫る木々や頭上高くを渡る橋など、大変に見応えのあるものでした。



そしてダムツアーはさらなる見どころ、ダム施設見学へと進みます。普段は職員しか通ることの出来ない設備ですが、ガイドさんの案内によって中へ通してもらうことが出来ました。通路内は夏だというのにひんやりとしており、涼しさを通り越して寒さすら覚えるほどでした。



通路を抜けると、巨大な壁とでも呼ぶべき堤体が姿を表しました。見上げるほどにスケールの大きさをありありと感じるものです。これほどまでの建造物を作り上げるのですから、ダム建設に携わる技術者には頭が下がる思いです。



水陸両用車ツアーを終えた私達は、バスに乗り麓の鬼怒川温泉駅へと戻りました。お待ちかねの濃厚な鉄分補給タイム、SL大樹号のお出ましです。蒸気機関車はその向きを変えるために転車台に乗るのですが、合図を取るための汽笛について、解説を交えながら様々なパターンで鳴らしていました。



今回の旅ではSLを眺めるだけに留まりません。事前にオンラインでSL指定席の予約を取っていたため、鬼怒川温泉駅から下今市駅まで、しばしの乗車を楽しみます。



この客車はかつてJR四国を走っていたもので、東武が譲り受けてからは第二の人生を歩んでいます。SL特有ののんびりした加速と心地よい揺れ、客車の柔らかな椅子が旅に疲れた身体を優しく癒やしてくれます。



SLはトコトコと進み下今市駅に到着。往路では鉄道旅行気分を味わうため鈍行で来ましたが、復路は流石に疲れているだろうからと事前に特急の指定席を取っていました。日光方面からやってきた特急けごんはすでに人で埋まっていましたが、指定席を取っていたためゆったりと帰ることが出来ました。



鬼怒川温泉はアクセスに優れ、道中では普通列車や特急、蒸気機関車など東武が誇る列車の数々を味わうことが出来ます。路線バスに乗り込んで川俣温泉に向かえば、落ち着いた秘境の温泉と美味しい川魚、そして雄大なダムを堪能できます。時刻表を片手に、皆様もちょっとした鉄道旅行を楽しんでみませんか。

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